しまんちゅの日記

~映像翻訳と映画と沖縄~

映画賞はちょっとだけ。。。

文学賞は信用できない。

甘くない、と謳っているサワーは甘い。

けれども、海外の映画賞だけはちょっと信じている。

 

韓国映画『パラサイト 半地下の家族』の話。

テレビはあまり見ないので(とはいえ、パラサイトは金ローで見た)

周りの人の話などから、「おもしろい」との話をたくさん聞いて気になってはいた。

ただ、誰も「どんな話か?」は説明してくれなかった。

 

見終わった感想は「よくできてるなー!!」もうそれしかなかった。

テーマであろう韓国の格差社会を表現するために、

セリフ、小道具、空間割り、動き、、と、至る所にメタファーが多用されていて、

わかりやすく、めちゃくちゃ計算されている出来に目が離せなかった。

「どんな話か?」や「どこにメタファーが?」とか、

「言わないよ。見てみてよ」と友人たちの気持ちがよくわかる。

 

格差社会を表した韓国映画は『ハウスメイド』が思いつくくらいだけど、

韓国の格差社会は恋愛ドラマによく表れてると思う。

私の偏見だろうか?数少ない視聴経験の中でもカップルの男女どちらかが必ず御曹司か令嬢かだったり、どちらかがお金持ちの設定が多い気がする。

その設定に飽きないのだろうか?と思うけどそれが韓国の社会なのだろうな。

 

私がこれまで出会ってきた韓国人はお金持ちが多かったのだと思う。

そして、なぜcompetitiveだったのか。。(中国人もすごいけど、韓国人も。。。)

 

もしハリウッドがリメイクするなら、無邪気な社長の奥さんはリース・ウィザースプーンしか思いつかないんだけど、どうかな?

 

Authenticは染み込まない

苦手な言葉がある。「authentic」という言葉だ。

意味は分かっている。

 

リーダーズ英和辞典によると

信ずべき、確実な、典拠のある、頼りになる;真正の、本物の;(複製が)現物に忠実な;《法》認証された;《楽》正格の…

Oxford Learner's Dictionariesによると

  

1.known to be real and what somebody claims it is and not a copy 

2.true and accurate

3.made to be exactly the same as the original

 

しかし、意味がわかっても、なぜかこの言葉だけは私の中に染み込んでいない。

言葉にはそれぞれ形や色やイメージやニュアンスがあると思う。

その言葉を聞いただけでじわっと浮かびあがる「印象」みたいなものだろうか。

authenticは私の脳の湖に一滴だけ落とされた油のように、長い間、混ざることなく分離したままだ。

 

初めてこの言葉に出会ったのは、大学のArtのクラスだった。

「テーマ」と「表現方法」が書かれた2つのカードの束から1枚ずつひき、

それに沿った作品を作るという課題が出た。

私が引いたのは「authentic」と「Cubism」。

authenticをキュビズムで表現しなくてはいけなかった。

 初めて出会ったauthenticという言葉に戸惑い、辞書をひいたり、人に聞いたりした。

 大抵の言葉はそれで解決する。なるほどね、とポトンと湖に落ちる。

けれど、authenticはそうはいかなかった。

言葉が染み込まないまま、その戸惑いを作品で木材と針金を使って表現した。

Critiqueの時に

「私はauthenticの意味がわかっているけど、本当の意味では理解していない。

authenticって何?」と正直に説明した私に、

教授やクラスメートたちは

「たしかにrealだとかtrueだとか、本当にあるのか?」と勝手になにか哲学的な話に転がり、なぜかその作品は高評価をいただいた。(Artってそういうところがあるよね)

課題の意図として私の向き合い方は合っていたのかもしれないが

予想していなかった結果に、私のauthenticはさらに謎が深まっていった。

 

それからずっと。

映画やドラマを見ていても、authenticが聞こえてくると

「今、authenticって言った?」と繰り返し見て

その時の状況や字幕からauthenticを理解しようとしたり

authenticと言葉を使った会社とか広告を見かけたら「どこらへんがauthentic?」と調べたりした。

本や雑誌やウェブ記事でも見かけたら、しばらく止まってしまう。

 

「使い慣れていないから、そうなるんじゃないの?」と友人に言われたが

断じてそんなことはない。

例えば、 enthusiastic(熱心な、熱狂的な)の方が発音もスペリングもままならない。

一度も使ったことはない。けれど、十分に染み込んでいる。

 

なぜこんなことを書いているかというと、NHKで年末に放送されたこの番組だ。

岸辺露伴は動かない

www.nhk.or.jp

 

原作漫画は未読だけれど、3話ともとても楽しめた。

特に森山未来が演じた漫画家、志士十五が「くしゃがら」と言う調べても調べても意味が判明しない言葉に取り憑かれていく回がとても面白かった。

私は志士十五の取り憑かれ方ほど狂ってはいないし、言葉の意味も分かっているだのだけど、「頭に染み込んでいかない」という点で似たようなものじゃないかと思う。

原作者がこれを描いたということは

言葉に執着している状態は私だけではなく、ままあることなのだと安心した。

私のauthenticも袋とじのように頭の中にあるけど

袋とじだから頭に染み込んでいっていないのかもしれない。

 

一体、この記事だけで何回「authentic」と打ったのだろう。。。染み込まない。

笑いはいい

初笑いはNetflixで「エイミー・シューマーの成長してますが何か?」だった。

涙が出るくらい笑った。

下ネタのオンパレードで下品な話を1時間楽しんだ。

テレビではお笑い番組とか何かしらあるのだろうけど、お正月番組は面白くない。

いろんなチャンネルが過去のドラマを全話一気に放送してくれて良かったと思っている。

それでも、なんか笑いたい。

 

エイミー・シューマーは大観客の前で、妊娠や女性の体、セックスに関してなどの話を女性同士でも話さないところまで突っ込んで話している。

「女性のあるある話」が続くから、女性の観客は大爆笑。

男性陣は笑えるのだろうか?

この面白さをわかってくれているのだろうか?と心配になった。

私はエイミーとワイン片手に朝まで笑い過ごしたいくらい。女友達にいて欲しい。

彼女の話には芯がある。ただ下ネタを話しているだけではない内容だからだ。

 

アメリカのスタンドアップ・コメディはシニカルだ。

だからとても面白い。世の中を知っていなければ話せないから。

人を笑わせることは難しい。自分の考えを込めた笑いならなおさらのことだ。

「どのみち女性の権利は無きに等しいわよね」

笑いを絡めながらも、エイミーは皮肉を込めてチクリと言う。

レディ・ガガも自身のドキュメンタリー映画で同じようなことを言っていた。

成功を収めた彼女たちでも(彼女たちだから?)、

「女性は権利がない」と声を上げ始めたのはここ5年くらいかと思う。

女性はこれまでは「ない」という事さえも、気がつかなかった。

見て見ぬふりをしていた、と言ったほうが正しいのかも。

この状況に慣れすぎてしまっている、と世界が変わり始めた今、感じるようになった。

 

ドナルド・トランプ米大統領が米連邦裁判所判事候補に指名したブレッド・カバノーについても話している。
カバノ―が10代で起こした性暴力未遂を告発されたことで、抗議活動が行われ(結局、就任した)エイミーもそのデモに参加し逮捕された。
一部の人に「妊婦なのに」と批判されたそうだが
「私の子に最善を尽くしたと教えたい」だから行ったのだと言っていた。
 
声をあげることは大切だ。その声が小さくても大きくても。笑いを交えてでも。
 
 

ほら。こわくないこわくない。

予告編が一番面白い映画ってある。

そう思ってしまったのが、新しい年を迎えて最初に見た映画。

 

「IT/イット THE END ”それ”が見えたら、終わり。」

wwws.warnerbros.co.jp

ただ怖いだけのホラー映画ではないのね。

子供の頃の友情を大人になってからも持ち続ける登場人物たちの姿を見て、

スタンド・バイ・ミーを思わせる。

そういえば原作はスティーヴン・キングだった。(作品中にもカメオ出演してる)

"IT"は現実世界で持っている恐怖を意味しているようで

大人になっても持ち続けてしまっている恐怖と向き合い、闘って克服する。

 

以前、脚本家/映画監督/スクリプトドクターの三宅隆太さんのイベントでホラー映画について

「恐怖っていうのは防御の感情。生き延びるための感情。生存本能として出てくるのが恐怖。危機的状況をどう対処するか?というのがベースにある。」と仰っていた。

私が思ったこととはちょっと違うかもしれないけど、この言葉を思い出させる映画だった。

自分の中に巣くう恐怖と対峙することが、生きることにちゃんと向き合わせてくれる。

映画の最後に出てくる手紙のメッセージが、スティーヴン・キングが作品中に込めた思いなんだと思う。

 

僕は怯え続けた

次に起こることに怯え

やり残したことに怯え…

それはダメだ

自分らしく生きろ

 

うん。でもね、全然怖くなくてね。

ピエロの雰囲気がもつ独特な怖さは所々にあったけど、

後半はまさに「戦い」って感じで、ピエロがパワフルすぎる。。

そして、いかんせん長い。2時間49分。

 

怖さの種類っていろいろあると思うけど、日本人の私はじわじわ怖いJホラーが好きなのかもしれない。

 

2021:2-2+1x0

2020年の始めに決めたことは

「1年で120本の映画を見る」ことだった。

結果、122本の映画を見終わって新しい年を迎えることができた。

 

目標をたてること、自分との約束を守ることは

自分を信じること、自分に自信を持つことにつながると聞く。

かといって、122本の映画を見たことが本当に私の自信につながったかというとそれはまだわからない。

でも、人生のあらゆる場面で映画の中のワンシーンを思い出す事があるんだろうなと思う。

 

今年の目標

①映画を100本見る

②ドキュメンタリーを100本見る

③健康に気をつける(これはいろんな目標に分散される)

①~③をまとめて、、④字幕翻訳者になる

 

TEDを暇つぶしによく見るのだけど

短いTalkの中にこういうものがあった

www.ted.com

 

なんだか楽しそうだ。

30日間で何をしよう?

とりあえず、、今月の30日間チャレンジは。。

●彼と同じように毎日写真を撮って写真日記をつける

●寝る前のストレッチ

 

2021がstartしちゃったよ

ちきちき

クリスマス・イブだ。

しかし禁酒中の私にはなんの意味も持たないただの1日。

禁酒してから思ったのだけど

これまでワインに合う料理を主に作っていたせいか

ワインが飲めないのなら、と、食にも興味がなくなった。

主に和食を作るようになってますます健康的になってきてしまった。

 

クリスマスと言えば見たい映画はたくさんある。

ブリジット・ジョーンズの日記』はその中のひとつ。

なぜかこの時期になると、「FRASIER」を見ながらワイン片手に「All By Myself」を熱唱しているレニー・ゼルウィガーを見たくなる。

あのシーンだけで満足する。

 

さて、まるまる一本見るなら、何を見よう?『ラブ・アクチュアリー』『シザーハンズ』『グレムリン』『めぐりあえたら』『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』…

並べてみると、20~30年くらい前の映画ばかりだ。

ここ10年の間に見た映画でクリスマス映画って何があるんだろう?

『キャロル』?

あれは美しい映画だったけどクリスマスのイメージが薄い。

見てないんだな。きっと。

 

クリスマス映画って

クリスマスを純粋に楽しめていた時に見たものが残っている。

とても楽しい記憶が残っていて、見てるとその時の気持ちに戻れるのかもしれない。

 

いろいろ考えていたら、頭がクリスマスを拒否したのか『チキ・チキ・バン・バン』が見たくなった。歌が頭から離れない。